雨と強風。Fitz Royの姿は見えず・・・。とにかく寒い!!
ものすごい強風と雨の音で目を覚ますと、、
外は少し晴れ間を見せているものの、、
相変わらず、小雨の天気雨は降り続いている。
とりあえず、お湯を沸かして紅茶とパンで朝食。
空を見上げてみるも、、待ったところで晴れる気配もなさそう。。
とにかく雨もそこまで強くないので、、
晴れていれば、Fitz Royがきれいに見えるというポイント、
Laguna de los Tresという湖に向かって歩き出す。
ちなみに、Fitz Roy(フィッツロイ)という山。
私は近くに来るまでぜんぜん知りませんでした。。。すみません、無知で。。
山頂付近に常に雲をまとい、まるで煙を吐いているように見えることから、
かつてこの地に住んでいたインディオの人たちがつけたその名は、
“El Charten(エル・チャルテン:煙を吐く山)”というものだった。
フィッツロイの背後に南北300kmにも及ぶ巨大な氷河の大陸があり、
その氷河大陸からの冷たい風が山を吹きぬけるとき、
フィッツロイの山の周りに雲ができるんだとか。
その姿形は、、今までにたくさん見てきた山々とは明らかに違う。
せっかくここまで来たんだから、やっぱりもう少し近くで見たい。
風と雨、、白く雲に覆われた空にめげそうになりつつも、、
まだ太陽が顔をのぞかせていることに望みを持って、
天気雨の中、15分ほどでRio Blancoというキャンプサイトに到着。
ここから、本格的に勾配がきつくなっていく。
この天候、この時間、ほとんど歩いている人はいない。
冷たい雨。急な登り道。悪い足場。
とにかく、、足元だけを見て、ゆっくりと登っていく。
木陰から出ると風に吹き飛ばされそうになり、、
雨は少しずつ強さを増していく。。。
それでも、足を進めながら、ふと後ろを振り返ると、、
うわー、、と思わず声を出してしまう景色が広がっていた。
40分も登ったころ、その道はさらに傾斜がきつくなり、
雨でぬかるんだ泥地のなか、道らしき道をみつけ、
一歩ずつ足を進めていく。
寒くて、、風が強くて、、足元が悪くて、、
行く先の方向にはどんより重い灰色の雲が。。
だけど、、こうなったら、もう登ってしまいたい!
なぜだかわからないけど、、登り出して途中ではやめたくない。
来た道を、その景色を振り返りつつ、
息を整えて、上へ上へと登っていく。
所要時間は1時間ほどのトレッキングなんだけど、、
雨と風と寒さ、そして足場の悪さがあいまって、、
結局、その湖に着いたのは1時間を少し越えたころ。
とにかく寒い!!雨風が強すぎて、、前も良く見えない。。
フィッツロイの姿も雲にしっかり隠れている。。
だけど、、、その景色は本当にきれい。
まるでトルコ石の色みたいな湖の青さ。
大きな岩を見つけては、そこに走り寄って風除けに。。
そうしてないと立っていられないくらい強い風。そして雨。
みんな、、必死で大きな岩に隠れながら、湖の周りをまわっていく。
なんだか、笑っちゃいそうになるくらい寒い。。
風も強すぎて、、カメラを構えるのも一苦労。
なんだけど、、その自然の力のすごさを実感しながら、、
山を登って、、こうやって景色を見て、、っていうの、、
これまたすごい経験だなぁ、、って。
エル・チャルテンの町に来るバスで知り合った
アルゼンチン人のカップルとここでも会って、
「いやぁ、すごいねー。寒いねー。」なんて興奮気味に話をしたり、
情報交換をしたり、一緒に写真を撮ったり。
湖の周りをぐるっと回ると、もうひとつの湖が見えてくる。
こっちの湖はさらに青が濃くって、きれい。
どんどん強くなっていく雨と風に、、さすがにギブアップ。。。
フィッツロイの姿を見ることはできなかったけど、
これ以上天気が悪くならないうちに、今日はとにかく下山をすることに。
行きにはあまり人はいなかったけど、、
帰りには、結構登ってくる人がいて、挨拶を交わす。
だけど、、、寒いからか、、疲れてるからか、、
なんか、挨拶をする人が少ない。。
山登りっつたら、挨拶するでしょ。
狭いトレイルをふさぐように、数人で休憩したり、、
なんだか、、この日は残念な登山者が。。。
それなら、まぁ、、むしろ、こっちから大きな声で元気に挨拶!
「Hola!」「Buen Dia!」と大きな声で挨拶しながら、来た道を下っていく。
キャンプサイトに戻ると、もう1時すぎ。
お腹もすいたので、ごはんの準備。
レトルトの野菜ごはんを炊いて、
ワインとサラミとチョリソーの間みたいなおつまみも添えて、、
雨が降る中、、テントの中でお昼ごはん。
この後もずっと雨は降り続き、、
強い風も絶えず吹き抜けていく。
ちょっとした雨のやみ間にテントの補強。
石や木を使って、雨と風からテントを守る。
本当にひどい天気で、、ほとんどテントから離れることなく、、
暗くなりそうな気分を盛り上げるべく、、
持ってきていたスピーカーで音楽をかけて、
ワインを飲みながら、歌を口ずさみながら、
マクラメを編んだり、のんびりと過ごす。
すっごく『ひとり』な時間。
ひとりでキャンプとかして寂しくないかな、、なんて思ったりもしたし、、
実際、友達と一緒にお酒飲んだり、わいわいできたらなー、、なんて思ったりもしたけど、
こうやって、ひとり、「寂しいな」って思う時間も良いな、好きだな、って思う。
「寂しいな」って思える時間があるから、
好きな人たちと一緒にいる時間をもっと大切にできる気がする。
雨や風の音は怖いくらい、テントに響くけど、、
そわそわする気持ちと、静かに穏やかになっていく気持ちが、
心の中に同居して、、良いバランス。良い時間。
ますます強くなっていく雨風。。
日が落ちて、夜が更けていくほどに、
雨の音が鳴り響き、、寒さは強くなっていく。。
寝袋だけじゃ寒いので、、日本の100均で買った非常用シートが活躍。
寝袋を包むように、、そのアルミホイルみたいなシートを巻いて、、
これ、、、なんか、アルミホイルの包み焼き的な。。。
見た目はどうあれ、、、効果は抜群。
どうにか寒さをしのいで、、2日目の夜もぐっすり。。。